Anja Lechner & François Couturier-Moderato Cantabile

最近は全く自分の聞く音楽について全く書いてこなかったけれど、久々に素晴しいセッションを耳にする機会に恵まれたので、それについて今日は少し書き留めておきたい。

ECMというミュンヘンをベースにしたレーベルを小生は高校生以来ずっと追い続けている。1969年にマンフレッド・アイヒャーによって創設されたレーベルは当初からジャズを皮切りに、民族音楽から現代音楽まで、ジャンルを超えた音楽を紹介し続けている。特に1984年にスタートしたNew Seriesは創立当時から現代音楽をフィーチャーし続けている。このころまだ世界的には未明であったアルヴォ・ペルトやギヤ・カンチェリといった作曲家をいち早く紹介したのもこのレーベルだ。特に中欧や東欧、あるいは中東・コーカサスといったなかなか他のレーベルでは耳にできない作曲家の作品を重点的に世に問い続けているのもこのレーベルの特質だ。

一方で、レーベルが発足した当初からギドン・クレーメルやキース・ジャレットといったメジャーともいえるアーティストも、このレーベルからアルバムをリリースし続けている。昨今はアンドラーシュ・シフといったアーティストも、このレーベルからバッハやベートーベンといった世に広く知られている作曲家の作品を収めたをアルバムを、このレーベル独自の美学を反映させつつ世に問うている。

プロデューサーであるアイヒャーのの音楽美学を反映した音の作りの一方で、このレーベルのアルバムの美点はなんといっても、様々な著名写真家の作品を用いて居られたアルバムの装幀にあるといってもよいだろう。手元にあるレーベルのカタログ、それ自体が或る種の写真集といってもよいぐらいで、レーベルの美的価値を視覚的に体現しているといってもよい。

昨年そのレーベルからチェリストのアーニャ・レヒナーとピアニストのフランソワ・クトゥリエというレーベル所属のアーティストからModerato cantabileというアルバムがリリースされた。アルバムに収められたのは、カタロニアの作曲家モンポウ作品の他は、コミタスやグルヂェフはあまり知られていない作曲家による、チェロとピアノ合奏のために編曲された作品だ。このアルバムリリースコンサートとでもいえる演奏会が先週日曜ベルリンはヘーベル・アム・ウーファー1で開催された。秋の夜長にふさわしい音のコンサートであった。

未聴の方はいますぐレコード屋か図書館へ。是からの季節の長い夕べに聞くにふさわしいアルバム。

ではまた持戒。