La la la Berlinale。2月8日。

今年もベルリナーレことベルリン映画祭が始まった。

昨日の8日金曜日が小生にとっての今年の初日。

忘備録的にみた映画について書くことにします。

今年の一本目はマウゴスカ・シュモウスカMałgośka Szumowska(ポーランド)のW Imie…(In the name of…)

コンペティションでしかもプレミアということで、ポツダム広場近くのBerlinale Palast前の切符売り場には長蛇の列。16時の開演前一時間半前にも関わらず。しかも、窓口は一つでそれも一人で切り盛りしている状態。開演15分前に最後の数枚のうちの一つをゲット。いやはや、初演になんぞは行くもんではないと思うも、今年も一本目からなかなかの力作に巡り会えた。

この映画のテーマでもある教会の中や修道院の聖職者の同性愛というのはカトリック教会にとってはタブー中のタブー。

もちろん、ポーランドの文学の世界では同性愛というテーマもそれほどタブー視はされなくなっているようだ。例えば、ミハウ・ヴィトコフスキMichał Witkowskiなどが同性愛者をテーマにした作品、例えばLuwieboなどを発表していて、ドイツでも話題になった。

ここベルリンでも同性愛者のポーランド人を個人的に多数知っている。もちろん、何人かはポーランドでカミングアウトすることの困難さを語っていたが。数年前にはワルシャワでゲイパレードが当局によって禁止されたり、前大統領のカチンスキーの時代にはなにかと保守派によるしめつけが厳しかった。特にヨーロッパでも屈指の保守的かつカトリックの国でもあるポーランドで、しかも聖職者の同性愛というこのテーマはかなり難しいことだろう。仮に映画や文学作品というフィクションとしてはOKであったとしても。このテーマはポーランドだけでなくともある種の抵抗をもって受け止められることだろうが、監督の母国であるポーランドでの反応がやはり興味津々なところがある。

女性監督の作品ということで、こういうホモソーシャルな世界の中の、特に男の同性愛を描くのは、ヤオイ系ではないが、得てして女性の得意とするところなのかもしれないなと、ふと思ったりもした。すでにベルリン映画祭ではフォーラム部門で二回出品しているというが、その作品も後日見てみようと思う。

二本目に選んだのはパノラマ部門出品のヤリフ・ホロヴィッツYariv Horowitz(イスラエル)監督のRock the casbah

舞台は1989年のガザ地区。現在も出口の見えない紛争が続いているが、この映画が扱うのは、ガザでの兵役経験もある監督自身の体験と後の取材に基づいた、そのガザで兵役を送った若者たちの日々。主人公の若者たちが迷い込むことになる迷路のようなガザ地区の町並み、そのガザの住民たちの続く非服従と抵抗、その只中に否応なく送り込まれた若い兵士たち、今も不条理に続いているであろう想像される終わりがなく続くかのようにみえる勝者もなにもない無益な戦いの年月、そしてその中に身をおく住民たちとそして映画の主人公たちたる若い兵士たちの双方の終わりのない日々、それらが重ね合わされるように描きだされているのが印象的だった。

スクリーニングの後、監督と出演俳優のアフタートークでも異口同音に彼らはそう語っていた。当地でも誰もが経験することになる不条理と終わりなき無益な戦いというイスラエルという社会(もちろんユダヤとパレスチナ側双方)のコレクティヴな体験の再構成としてのこの作品に評価は高いという。これがいわゆる戦争というやつの現実なのだ。

まあ、作品のコンセプトとしては違うのかもしれないが、もっとガザの住民側たちの視点が入り込んでくれば、さらに緊張感あふれる、あの地域の人びと全てが共有できる作品になりえたような気もするが(例えば、映画の冒頭に出てくる兵士の主人公たちに絡んでくる少年の視点など)。とはいえ、わざわざ夜11時前に並んでみる価値のあった作品だった。

今日はこんなものかな。とりあえず今日はウルリッヒ・ザイデルのHoffnung-Paradies(「希望・パラダイス編」)を見ねば。

なんでまた自戒。