イスタンブル、アタチュルク空港、午前7時。2012年11月28日。

飛行機嫌いで空港も車輪をがらがら引くスーツケースも大嫌いな小生は、なるべくなら飛行機に乗らずに旅行したいとおもっている。だから、ベルリンから旅に出る場合は飛行機を使わずにすむ行き先がかなりおおいし、空路でいけば楽な行き先も無理して陸路でいったりもしてしまう。

なんでいつかは、時間がゆるすならば、日本にだって陸路で帰りたいと思っている。まあ、これは決心一つなのだけれど。ここ5、6年ずっとずっと公言しているにも関わらずだ。

話は変わるが最近ウラジオストクと鳥取の境港を結ぶ船便が就航したということだ。まあそのうちこれにのって、先人たちがたどったように、ベルリンから大陸を横断して極東露西亜から船で日本へ帰還したいと思っている。

飛行機がなぜ嫌いかというと、なんといっても、到着後の時差ぼけによる身体感覚の狂いが堪え難いからだ。とはいえ、飛行機のお陰でたかだか10時間やそこらですむ距離を陸路でいくと十日はゆうにかかるのである。それを思えばやむを得ない一時的な身体的代償は当然だが。

だが、もっと堪え難いのは、空港へ向かう無為な道すがらと空港での待ち時間、そしてその間に目にせざるを得ないものだ。

まず最初に小生をいらだたせるのは、セキュリティーチェックを抜けた直後に小生を正面射撃するかのような待ち伏せする商店群である。免税店とかいっておきながらどこよりも高い商品をぼったくりとしか思えない値段でうるような商店の列は、買え買え身を崩すまでかっちまえと呼び込んでいるかのような気がして、世が世ならば打ち毀しじゃ、と思うのであるが、物欲とは無縁の小生はその狭い通路を立ち止まることもなくスルーすることで何の問題もない。いつの日か空港内で打ち壊しなんてことがおこったら痛快こうの上ない。

が、空港内にはさらに搭乗ゲートにつくまでにこれ見よがしに空港内ファッションショーでもやってんのかおめえらというような不必要なまでに着飾る他の乗客はほぼ間違いなく車輪付きのスーツケースを転がしている。邪魔じゃ、はよ歩け、と声に出すまいとこらえるのだが、そんな連中を目の当たりにするころには、あーやだやだ、こんなときは不貞寝だ、わーん、早くお家にかえりたいよー、マンマー、と搭乗ゲートの前待ち合い場の椅子に腰掛ける小生は常に心の中でそう叫んでいる。

私事、昨年ヨーロッパ10年目にしてはじめてイベリア半島の地を踏んだ小生であったが、ベルリンからすれば、それこそウクライナよりも遠いスペインの地に至るには飛行機に乗るにしかずというので、嫌々空路で当地に赴くはめになったのであるが(ちなみにスペイン初上陸を果たした昨年9月は結局バスク地方で二日をすごしただけであったが、そのバスクまで陸路で全行程いったので帰りのみ飛行機)、バルセロナとマドリッドの空港で目にした光景がまさにそれであったため、もう二度と行くかコノヤロー、と固く決心したことを読者諸氏に公言することをはばからずにはいられない。

ていうか、次回は陸路でいけばよいだけの話なのだが。

まあそれはともかく今日一枚だけのせる写真について一言いって今日を締めくくることにしよう。

イスタンブルの空港はほかのヨーロッパの国の空港よりも実に興味深い。ヨーロッパとアジアの交差点の交差点である街の空港にふさわしく、その通路は、中東圏やアフリカ大陸、それから中央アジア、露西亜、コーカサスなどの旧ソ連より到着した乗客でごった返している。この人びとの多様さはほかのヨーロッパの空港ではあり得ないものだ。到着後、そこを行き交う人たちを眺めるのは実に一興である。そんなときイスタンブルの市内に出れないことを返す返す残念に思うのであったが、しかし、また遠からずこの街を訪れることになるだろう。もちろん、次回こそは飛行機なんぞにはのらずに。

ベルリンから日本への途上あるい帰途、トルコを経由してベルリンに向かうトルコ航空をここ5年で3回は利用している。日本は大阪を真夜中前にでてトルコはイスタンブルに早朝つく。乗り継ぎ便を経てベルリンの土を踏むことになるのは昼前。無論、北回りルートより数時間は余分にかかるが、機内でほぼ熟睡できる、そして午前中到着することになるベルリン帰還後の時間を有効に使えるということで重宝している。トルコ航空もサービスはよい方だと思う。

ベルリン行きの飛行機をまって。11月28日午前7時。
ベルリン行きの飛行機をまって。11月28日午前7時。

イスタンブルには早朝5時に到着する。冬だとまだ日の出前の暗いうちにだ。段々と朝日に包まれていく空港のターミナルで、乗り継ぎ便の出発までを数時間過ごすことになる。それでも空港の内は人でごった返している。まるで日本の大都市のラッシュアワーの只中にある駅のように。搭乗ゲート前の待合室の前では皆眠い目をこすりながら欠伸をしてみな虚ろな視線を窓の外へ向け半分眠った頭で次の便の搭乗案内を待つ。だから、こんな光景に出くわす。

もっと頻繁に更新せなあきませんな。ではまたまた自戒。